ジョン・クーパー
まとった瞬間に知る、ドブクロス生地の
柔らかさと類まれなる気品
古い文献によると、創業家のクーパー家は17世紀から18世紀の終わりにかけて、ロンドン北部にあるセント・ネェオッツ近郊の村、イーンスバリーとその周辺で、「ヨーメン(yeomen)」と呼ばれる独立自営の羊農場を営んでいました。一族から「ドラッパー(店を構えた服地屋)」が誕生したのも自然な流れといえるでしょう。
1770年にジョージ・クーパーがこの町のハイ・ストリートに店を構えたことが、「John Cooper(ジョン・クーパー)」の歴史の始まりとされています。クーパー家の主人の多くはジョンという名前だったそうです。
英国が誇る老舗ブランドであるジョン・クーパーの最大の特徴は、「ドブクロス※織機」によって織られる生地。風合いがとても柔らかく、類まれなる気品を持ち合わせています。
現在、主流となっている「エアジェット式織機」は緯糸(ヨコ糸)を1分間に約600回通すほどの高速であるのに対し、ドブクロス織機は、1分間に約100回。1日に約40メートルしか織ることができません。熟練の職人が木製シャトルを使い、通常の織機の6倍もの時間を掛けて丁寧に織り込んだ大変貴重な服地です。
生産性のみを追求した現在の織機では、ドブクロス生地の優しい風合いを真似ることは到底できません。とにかく美しい。その一言に尽きる服地です。
※「ドブクロス(=DOBCROSS)」はHolland & Sherry社の登録商標です。同社が運営するハダスフィールドの Dobcross Weaving Company は、わずか14台しか残っていないドブクロス織機を使って、服地を織っている世界で唯一の工場です。
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